「分からない」を考えよう! #13

生徒たちの「分からない」を取り上げて考えていきます。

解き方が分からない前提で「どんな風に考えて解いていくか」という過程を書いていくので、ぜひご自身でも解き方を考えながら読み進めてみてください。


今回は、とある中学の授業で出されたプリントからの出題、理科(2年、化学) の問題です。

 

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(1)

 

炭素 0.3g の試験管について考える。

 

酸化銅 4.0g に炭素 0.3g を入れているので、試験管内の物質の質量は 4.3g となる。それを加熱し終えたら 3.2g になっていたので、加熱前→加熱後で消失した 4.3 - 3.2 = 1.1g が二酸化炭素の質量であると考えられる。

 

A. (1) 1.1g

 

 

ちなみに、炭素の質量が 0.1g ~ 0.3g までは右下がり、0.4g ~ 0.5g が右上がりのグラフになっているのは、炭素 0.3g で酸化銅の中の酸素すべてと反応しきってしまい余った炭素が試験管内に残るから。

 

酸化銅 4.0g の中の銅と酸素の質量は、

 

 銅:酸素:酸化銅 = 4:1:5

          = 3.2g:0.8g:4.0g

 

となるので、炭素 0.3g の試験管の実験では、炭素 0.3g と酸素 0.8g すべてが反応し二酸化炭素 1.1g となって消失、銅 3.2g だけが試験管内に残った、ということになりますね。

 

なので炭素の量を 0.3g から増やしても、増やした炭素と反応するだけの酸素はもうないので、二酸化炭素となって消失する量も変わらず 1.1g のまま。

 

 炭素 0.4g の試験管

 →酸素 0.8g と炭素 0.3g が反応し二酸化炭素 1.1g となって消失、

  銅 3.2g と余った炭素 0.1g の計 3.3g が試験管内に残った。

 

 炭素 0.5g の試験管

 →酸素 0.8g と炭素 0.3g が反応し二酸化炭素 1.1g となって消失、

  銅 3.2g と余った炭素 0.2g の計 3.4g が試験管内に残った。

 

となるので、炭素 0.3g 以降のグラフは右上がりのグラフになっているということ。

 

問題を解くだけではなく、こんな感じできちんと理解していれば還元反応の様々なパターンの出題に対応できると思います。

 

 

 

(2)

 

炭素 0.1g ということは、炭素 0.3g の「3分の1」だということ。

考え方はとてもシンプルです。

 

つまり、反応した酸化銅の質量も「3分の1」ということになり、反応せずに残った酸化銅の質量は「3分の2」ということになりますね。

 

 4.0 × 2/3 = 2.666・・・ ≒ 2.7

 

A. (2) 2.7g

 

 

ちなみに炭素 0.1g の試験管ですが、「加熱後の個体の質量」をグラフで見ると 3.7g よりちょっと多いくらいのところを通っていますね。

 

「あれ?試験管内に残った酸化銅の質量って 2.7g なのに何で?」って思った人は勉強のチャンスです!

 

 

試験管内に残った「加熱後の個体の質量」が何を指しているか。これは、

 

「炭素と反応し還元されて残った銅の質量 + 炭素と反応せずに残った酸化銅の質量」

 

となります。

 

 

問題 (2) の解は「炭素と反応せずに残った酸化銅の質量」なので、「炭素と反応し還元されて残った銅の質量」について求める必要がありますね。反応した酸化銅の質量も「3分の1」なので、

 

 4.0 × 1/3 = 1.333・・・

 

この酸化銅の質量 1.333・・・g に含まれる銅と酸素それぞれの質量を求めます。

 

 銅:酸素:酸化銅 = 4:1:5

          = 1.066・・・g:0.266・・・g:1.333・・・g

 

質量 1.333・・・g の酸化銅に含まれる酸素 0.266・・・g と反応し還元されて銅 1.066・・・g が残った、ということになりますね。

 

よってグラフの点、炭素 0.1g の試験管の「加熱後の個体の質量」は、

 

 1.066・・・ + 2.666・・・ = 3.733・・・

 

という値になり、グラフの点の位置とも合致することが分かります。

 

 

炭素 0.2g のときの値についても求めて、炭素 0.1g ~ 0.5g それぞれの各種値もすべてまとめて整理してみました。

 

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勉強の参考までに。多分あってると思います。解答があるわけではないので確認はできませんが、何回も計算して確認したので。

 

 

問題で問われている内容に対してだけ答えを出して、ハイ終わり、ではなく、分からないことがひとつも残ってない!ってくらいまでとことん考えて、完璧に理解しようって努力する。これが勉強だと私は思っています。

 

(1)(2) のたった2つの問題でもこれだけ色々なことを学ぶことができるんですね。

 

 

ここまでやれば、酸化銅の還元、もちろん酸化銅以外であってもですが、どんなパターンの出題があっても解くだけの力が付くのではないかと思います!

 

 

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問題を解けば終わり、答えが分かれば終わり、ではなく、問題を解く過程でたくさんの「なんだろう?」っていう疑問を見つけて、それを理解していく努力が勉強です。

そしてその「なんだろう?」を解き明かしたときの達成感を味わうのが勉強の醍醐味です!

ぜひたくさんの「分からない」を見つけて、それを「分かった!」に変えていく努力をしていってくださいね!

 


以上です。お疲れさまでした!
(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

 

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