今回は連立方程式の範囲の問題です。
式を解くのに必要なのは連立方程式の知識ですが、式を立てるのに必要なのは「時間」「角度」「単位量あたりの数」あたりの考え方でしょうか。
では、問題がこちら。
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7時x分 の長針と短針の位置が、2時y分 で入れかわるとき
(1) x と y についての連立方程式を立てなさい。
(2) x の値を求めなさい。
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まずは問題における「7時x分の長針と短針の位置が、2時y分で入れかわる」というのが、どういう状態なのか。ここをきちんと理解し、イメージできなければダメですね。
長針と短針の位置が「7時x分」と「2時y分」で入れかわるということは、
短針(時間を示す針)の位置が、
「7時x分」→「7」と「8」の間
「2時y分」→「2」と「3」の間
となるので、
長針(分を示す針)の位置は、
「7時x分」→「2時y分」における長針の位置、つまり「2」と「3」の間
「2時y分」→「7時x分」における長針の位置、つまり「7」と「8」の間
となりますね。
図にするとこんな感じです。
「7時x分の長針」と「2時y分の短針」
「7時x分の短針」と「2時y分の長針」
がそれぞれ等しい位置にあるということですね。
あとはそれぞれの位置を数式で表すことができれば等式を二つ書くことが可能です。
で、長針と短針の位置を表わすのに用いるのが角度。
「12」の位置、つまり 0時を起点として長針および短針の位置までの角度を「x分」「y分」を使って表わすことができないか?
という発想に辿り着けばあとは簡単。
まずは長針の角度を考えます。
長針は 60分で 1周 (360°) 回るので、
360÷60=6
長針が 1分あたりに動く角度は 6° です。なので、
7時x分 の長針の角度は「6x」
2時y分 の長針の角度は「6y」
と表すことが出来ます。
次に短針の角度。
短針は 60分で時計の数字1つ分、つまり 1時間あたり (30°) 動くので、
30÷60=1/2
短針が 1分あたりに動く角度は 1/2° です。なので、
7時から x分 経ったときの短針の角度は「1/2x」
2時から y分 経ったときの短針の角度は「1/2y」
と表すことが出来ます。
ただし、短針は 0時からの角度も考えないといけません。
短針は 1時間あたり (30°) だから、
0時から 7時までの角度は「210°」
0時から 2時までの角度は「60°」
です。ここは簡単ですね。
あとは、
「0時 から 7時 の角度」と「7時 から 7時x分 の角度」
「0時 から 2時 の角度」と「2時 から 2時y分 の角度」
を足したものが、0時を起点とした短針の角度となります。なので、
7時x分 の短針の角度は「1/2x + 210」
2時y分 の短針の角度は「1/2y + 60」
と表すことが出来ます。
最後に、ここまでで作った「長針と短針を表わす数式」をイコールの関係にあるもの同士まとめれば完成です。
7時x分の短針の角度 = 2時y分の長針の角度
1/2x + 210 = 6y
7時x分の長針の角度 = 2時y分の短針の角度
6x = 1/2y + 60
これで (1) の問題は終了。
(2) の問題はこの2つの式を連立方程式で解くだけですね。
以上、今回の問題、解説はいかがでしたか?
中学生の皆さんは、読んでみて終わり、ではなく、ぜひ同じ問題を自分でも実際に解いてみて下さい。
実際に解いてみると、読んでいた時には気づかなかった疑問や、よく分からないことなどが見えてくることもありますので(^^)
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