夏休みの宿題より ~I think that の否定文、続き~

塾では生徒の「夏休みの宿題」の面倒(進捗管理と分からない所の指導)も見ているのですが、せっかくなので、生徒から質問があった問題や、多くの生徒がよく分かっていないポイントなんかを、このブログでも取り上げて解説してみたいと思います。

今日は 前回 の続き。


「私はトムは忙しくないと思います」を英語で表現するときの書き方を、

  I don't think that Tom is busy.(I don't think + 肯定文)

とするのではなく、

  I think that Tom isn't busy.(I think + 否定文)

と表現しても大丈夫なの?、という疑問についてでしたね。


答えとしては「後者の表現も文法的には正しい、けれど英語ネイティブな人たちはほとんど使わない」みたいです。




この例文だと分かりにくいので別の例文を挙げて説明します。


  ① I think that he isn't kind.

  ② I don't think that he is kind.

① だと「彼は親切ではない」という印象が前面にでてしまい「彼」を非難するようなニュアンスになるようです。だけど「親切ではない」と感じているのはあくまで自分であって他の人はそう感じていないかもしれないですよね。だから ② のように「少なくとも私は~と思わない」というニュアンスの表現を用いるようです。




他にもこんな例文を見つけたので挙げておきます。こちらはディビット・セイン著『ニッポン人のヘンな英語』からの抜粋になります。


  ① I think you didn't give me the right change.

  ② I don't think you gave me the right change.

「お釣りはちゃんと渡したと思いますが」と主張する相手に対して、

① の表現だと「いや、君はお釣りをちゃんと渡していないと思うよ」と怒りを込めて言っている感じ、② は「お釣りをちゃんといただいていないような気がしますが」という感じで相手に気を使いながらこちらの気持ちを伝えるニュアンスになるようです。




同じような表現でも not の位置が違うだけで与える印象はずいぶん変わるのですね。

言葉って面白いですね(^^)

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